芸能やスポーツ分野などで有名、著名である方の「適応障害」「うつ病」という言葉を最近よく耳にします。時として有名な方々は、仕事とプライベートの境界が曖昧になり、切り替えがうまくいかず、また、他人からもその境界を侵されやすいうえに、周囲からの期待に対して人知れず大きなプレッシャーを自分一人で抱えてしまうことが多いようです。周囲からの期待に対する責任感の強さ、そしてこの先の不安や葛藤は計り知れません。

著名な方のカミングアウトによりこのような話題が世間に出ると、「自分も同じ状態ではないかしら？」と自分の症状と照らし合わせて自己判断される方が増えてきます。患者さんからの質問やセカンドオピニオンも増えてきます。
あまり過剰に反応して考えすぎるのも問題ですが、このような機会に、日ごろ気になっていることについて、ご自身も「心療内科医などによる心理検査やカウンセリング」をしてみることも人生にとって意義のある道へ進むことへの入り口（きっかけ）になることは多いです。
自己判断や我慢はせずに、肩の力を抜いて気軽に専門家に会ってみるのも大事なことです。
治療では、初診時には重苦しい気持ちで他人を信用できない状態で来られる方でも、症状の治療を共に頑張っていく中で、それぞれが自分自身で自分のことに気づいていき、ハッピーな生活・ハッピーな人生になっていかれる方が多いので、その頃には「診察室が笑って話せる楽しい場所」になってくるとか、「クリニックに来るのが楽しみです」とか、「癒される時間・空間です」と言われることも多くあります。良くなっていく方々を見ていると、逆に私の方がうらやましいなあ～と感じてしまうこともあります(´∀｀)。患者さんから色々教えてもらって、私もハッピーになっていき、またそれを皆様に還元していけるよう、最近は自分のことも大切にするようになりました。