2021/10/01
うつ病などで休職。その後、職場復帰可否の判断基準の例として、厚生労働省の手引きには
「●<判断基準の例>・労働者が十分な意欲を示している・通勤時間帯に一人で安全に通勤ができる・決まった勤務日、時間に就労が継続して可能である・業務に必要な作業ができる・作業による疲労が翌日までに十分回復する・適切な睡眠覚醒リズムが整っている、昼間に眠気がない・業務遂行に必要な注意力・集中力が回復しているなど」
と記載されています。
当院では、これに加えて、以下のことにも気を付けて指導しています。
・コミュニケーション能力の回復(※極端な被害感や他罰的感情、自己中心的であった自分の心境を内省できていること。自分がどういう人間であるか、どのような行動様式をとりやすい性格傾向か等を客観的に把握できていること)
・自分の体力、能力の限界を把握しており、そして疲労後の回復にかかる時間を見込むことができており、その上で余裕のある計画を立てて無理のない行動範囲を見込むことができること。そしてそれらを、職場で関わる仲間に伝えることができて周囲とうまく協議して業務を進めていけること。
休職中には、復帰に対してどうしても「焦り」が生じる時期がでてきます。この時期の患者さんにとっては、復帰自体が目的になってしまい「焦りや不安が悪化」するという経過がみられます。
そこで、診察室では、「もう再発はしないと思える余裕、自信、そして安心感」を身につけることが大事ですとお伝えし、それぞれの方に合った指導を心がけています。